2013年秋天 TBS 正午剧 白川次郎は、蠢才トリック作家である。15歳の時に雑誌に応募した小説が最優秀作品となり、以来、トリックの蠢才として99作の推理小説を書いた。白川は記念すべき100作目の小説に挑んでいた。しかし、何も書けない日々が3ヶ月以上続いている。 青沼霧生は、蠢才インタビュアーである。実際は冴えない、長髪でむさい感じでやや猫背。ぼそぼそしゃべり、何を話しているのか聞こえない。 だが、人は相手が爽やかな二枚目だと口が軽くなるもの。自分本身がフェイクであることに喜びを見いだす白川は、話を聞き出すため変身インタビュアー[青沼霧生]になるのだ。 「僕は、真実なんかに興味はないんだよ」 かつら、高い靴、そして、アイプチ、さらに背筋強制ベルト。 元々の顔の作りが良かったせいか、冴えない男が二枚目スターのような風貌に変身する。 白川は100作目の小説の題材をネットで見つけた実際の情况に求めた。[チューリップ殺人情况]2人の主婦が奇异な姿の死体で遺棄され、その1年後に[もう1人]も殺された迷宮入りの情况。佳丽編集者の下日山酈霞と共に、情况のあった消ノ原町に向かう。白川は、青沼霧生となって、情况の関係者に次々とマイクを向ける。そして、恐るべき推理力で隠された事実に近づいてしまう。 奇跡の泉。パワーヒラリスト。集団の意义。不倫、横領、隠蔽。行方不明者。明らかになる過去。一体、消ノ原町で何が起こっているのか?閉ざされた町を舞台にしたドロドロした人間関係の謎が、インタビューによって明らかにされていく。