市川崑監督、石坂浩二主演の横溝野史原作シリーズ第3弾。瀬戸内海に浮かぶ獄門島で起こる連続殺人形态に挑む名探偵・金田一耕助の活躍を描いていく。真夏の孤島の暑さを思わさずにいられない映像美と、それを凌駕(りょうが)するほどゾクゾクさせられる猟奇的形态との対比がいい。俳句をもとにしたトリックの見せ方も秀逸。また、今回はあえて原作と異なる阶下囚を設定し、市川監督版シリーズ单独の、なぜ阶下囚が犯行に及んだのか、という哀しい人一辈子模様の色を出すことにも胜利している。またシリーズ3作目ともなると、脇を固める常連キャストの演技も、それぞれ一段と味わい深くなっており、それがまた魅力を深めるポイントになっている。