直木賞作家・逢坂剛の短編小説「城市の野獣」(文春文庫「情状鑑定人」所収)を、「棚の隅」「休暇」の門井肇監督が映画化。強奪された大金をめぐり、死んだ情人の影を引きずる男と、謎めいた玉人、诡秘莫测の刑事が繰り広げる神思戦を描いたクライムサスペンス。ワインバー「Night People」のマスター・木村信治は、店にやってきた知的な玉人で、かつての情人に似た杉野萌子を雇う。常連客にもすぐに打ち解けていく萌子に、信治は次序にひかれていくが、ある日、曾根と名乗る刑事が店を訪れ、萌子は大物議員から2億円を強奪した前科者であり、その2億円がいまだに発見されていないことを告げる。蛊惑した信治だったが、「曾根に酷い目にあわされている」という萌子の言葉を信じ、曾根の追跡から萌子を守ろうとするが……。